電子情報工学は基礎から実学を学ぶ実践的なコース

 電子情報工学コースは電気工学,電子工学,情報工学の分野の中でも特に「半導体製造のための技術」や「人工知能(AI)や機械学習を中心としたデジタル関連技術」の研究とその応用を中心に,基礎から応用までを実践的に学ぶコースです.電子情報工学コースでは,世の中に潜む半導体やデジタル工学分野に関する社会課題に対して独自の技術を開発し,産業界や行政と一体になって社会問題を解くこと(社会実装)に取り組む点が大きな特徴であると言えます.

 例えば,半導体の製造プロセスに関する研究室では,青色LEDや紫外線LEDに関する世界最先端の研究に取り組んでおり,その研究成果は新しい水処理システムへ応用されています.また,デジタル工学分野の研究室では,画像認識とその医療・福祉・農業分野への応用大規模言語モデルを用いた教育支援システム,半導体の物性シミュレーションや生産性向上のためのデータサイエンスなど,AIを中心とした知能情報,計算機科学に関する研究を行っています.これら社会を変革していくための研究開発の多くは,国内外の研究機関や大手企業との共同プロジェクトです.企業と一緒に実践的な研究開発に取り組むことにより,国際的な舞台で活躍できる人材を育成しています.

他のコースとの違いは何ですか?

 図は,電気電子工学コース,情報工学コース,電子情報工学コースの違いを簡単にまとめたものです.例えば,電気電子工学コースは「エネルギー,ロボティクス,通信,光・量子エレクトロニクス分野における技術者としての実践力と応用力を学ぶ」ことを主としており,電気システムやロボティクス,制御技術,情報通信方式や通信デバイスに関する研究を行っています.また,量子・光ナノエレクトロニクスに関する研究を行っている講座もあり,カーボンナノチューブや磁性体など物質・材料の設計やその物理的性質の予測,電子デバイスへの応用に関する研究等も行っています.

 一方,情報工学コースは「コンピュータ・情報ネットワーク・知能システム・人間情報など,高度な情報処理関連技術を多面的に学ぶコースです.情報の分野も電気電子と同様に様々な分野について研究を進めていますが,情報工学コースでは量子コンピューティングや組み込みシステム,情報ネットワーク,光センシングや画像処理といった分野に加え,人間の視覚認知の仕組みについて研究する人間情報学などの分野があります.