現代社会の中のデジタル技術とその必要性

 最近,テレビやSNSといったメディアを中心に「人工知能(Artificial Intelligence: AI)」や「機械学習」,「データサイエンス」,「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation: DX)」という言葉と聞いたことある人もたくさんいるかと思います.このような言葉は,一種の流行語(バズワード)なのかもしれません.しかしながら,人工知能をはじめとした様々なデジタル技術は,みなさんの日常生活の奥深くまで深く浸透しています.すなわち,デジタル技術なしでは現代社会における日常生活は成り立ちません

 このページを見ているみなさんの中には「本当にそうなの??」と思う人もいるかもしれません.しかし,それは紛れもない現実なんです.例えば,皆さんは日常生活の中でスマートフォンを使っていると思います.普段,何気なくスマートフォンを使ってネット検索をしたり,写真を撮ったり,動画を見たり…と色々なことをしているかと思います.最近では,携帯電話で撮影した写真の余分な背景を消したりするなど,画像の加工も簡単にできるようになりました.また最近では,メタバースを使ったエンターテイメントを楽しんでいる人もいるかもしれません.ネットショッピング利用した時に,おすすめ商品を推薦してくれたりします.

 このようなサービスの中には人工知能をはじめとしたデジタルに関わる技術がふんだんに使われています.このような機能は大変便利なものですが,これからの社会で生き抜いていくには,デジタル技術に関する基礎知識とスキルは必要不可欠となるでしょう.

電子情報工学コースにおけるデジタル工学の研究

 電子情報工学コースには4名の教員がデジタル工学講座の教員として就任する予定です.また,電気電子工学コースに所属している教員2名が,連携教員として電子情報工学コースに参画する予定です.各教員は画像認識深層学習(ディープラーニング)言語処理モデルといったAIに関連する技術について研究を進めています.研究の成果を産業界や行政と連携しながら実際の社会システムとして使われるようにに組み込んでいく「社会実装」にも取り組んでいます

 また,電子情報工学コースの大きな特徴の一つである半導体分野においてもデジタル技術を駆使し,半導体の物性(物質の特性など)をシミュレーションする技術,それらの結果を半導体の製造に応用するための研究,半導体生産における歩留まり向上(生産効率の向上)のためのデータ解析や機械学習に関する研究を半導体企業と共同で進めている研究室もあります.ページの都合上,それらの詳細の全てを書くことはできませんが,もし興味がありましたら各研究室のHPをご覧ください.

各研究分野の紹介(概要)

半導体計算科学研究室 

半導体計算科学研究室では,計算材料科学の立場から,計算機を用いて半導体および酸化物等さまざまな材料の構造的性質および電子的性質を予測する研究を行っています.半導体結晶成長や材料の構造安定性、物理的性質の解析・予測のための電子構造計算手法の開発および電子デバイスのための材料設計を行っています.

 研究分野(キーワード):計算物性物理学、半導体物理 等
 ホームページ: https://sites.google.com/mie-u.ac.jp/nd6203

情報システム工学研究室

 情報システム工学研究室では,計算機を用いたさまざまな支援システムの構築を行っています.そのための基礎技術として,機械学習(ニューラルネットワークなど)の研究も行っています.機械学習技術を応用したさまざまな支援システムの構築(自然言語処理、画像処理分野)や 教育用タブレットアプリケーションの開発をおこなっています.

研究分野(キーワード):言語処理,ニューラルネットワーク,教育支援システム 等
ホームページ: http://www.ce.elec.mie-u.ac.jp/

画像情報処理研究室

 画像情報処理研究室では,AIやDXなど社会イノベーションに必要不可欠となる基礎技術とその応用に関する研究を行っています.深層学習を用いて病理画像から疾患の進行度や疾患遺伝子の変異の予測,半導体の生産管理,路面標示の劣化度評価,ドローン農作物育成評価といった実社会で求められている画像AIに関する研究開発を産学連携で進めています.

研究分野(キーワード):画像認識,深層学習,医療情報学,福祉情報システム 等
ホームページ: https://www.ip.elec.mie-u.ac.jp/